3月に、数十年ぶりに地元の中学校を訪れました。
1年生から2年の秋までいた所で、もう二度と足をふみ入れることなんぞないわい!と啖呵切ってでてきた、それはそれはいやな思い出90%の中学校。それがあることがキッカケで再来することに。
「いなほ学級」という、特別支援学級、なんて今は呼ばれているそうなんですけれど
ここの生徒さんたちに会いたかったのです。
地元の展示スペースで描いた作品を色々展示していたのをみてスゴイ衝撃を受けた私。いままでパリのルーブルにも行ったし、ピカソも、ゴッホも、シカゴではスーラも、オキーフも色々実物を見てきたけれど、正直、鳥肌の立つほどの感動までには至りませんで、
泣きたくなるほど
「この絵すげーーーー!」なカウンターパンチでKOを食らったのは、いなほ学級の子らの絵なのでした。
「最後の授業なんです。よかったらおいでください」
そう担当教諭さんが声をかけてくださって
…なんと一緒に絵を描かせていただいちゃいました!!
大きなダンボールに皆で描いたんですけど、どこに私描いたか分かりますかね?
あーーーーーもーーーーーー楽しかったの。 ちょーちょーちょー楽しかったの!!!
私は「コラボレーション」というヤツが好きじゃないんです。というより、
皆が言うほど簡単にコラボなんてできないでしょ、って事なんですけどね。自分の力不足を人数で足して補うことがまかり通ってて、なんてかっこ悪いのだと。
コラボレーションは「助け合い」の意味と違うんじゃないのかね、と常々苦々しく思っています。まぁ、これはあくまで「ご近所レベル」なお話に限りますけれども。
しかし、このいなほ学級の、とくにS君という男の子の感性はずば抜けていて、悔しいくらいに光り輝いていました。ここで彼の作品を紹介できないのが残念。S君の描いてるときの目はちょっと他の子とも違って、ドンドン描き進んでいく工程すら見学していて楽しい。楽しくて、とにかくすごいんで、嬉しさと嫉妬も含んだ軽い苛立ちと興奮で身体が熱くなります。
「おねえさん、それかっこいいね」「うん、S君のもかなりすごいけどね、イヤになるほどかっこいい」
「次なに描くんですか、それは歯ですか?」「なんだろ、じぶんでもわかんない」「じゃあぼく太陽かきます」
もっと沢山長い時間一緒にやりたかったな。
正直、どこからが障害者でどこからが健常者か、その差は実際よくわかっていない私です。
しかしたとえばS君の場合。障害があってもなくても、あのような絵を描いていたはずなんですよね。
障害のある子だから、と余計な伏線を引かれてしまうのは、非常にもったいない。普通に失礼な話。
ただ、彼の作品を観ればいい。「障害者」なんて枕詞はいらないの。
初めて“アーティスト”と堂々と呼べる人お話させてもらった気がします。とても刺激を受けました。
S君はもう中学を卒業してあの学校にはもういません。
今どうしてるのかな。絵を描き続けていてくれたら良いな。だってあんなに素敵な絵を描くんだもの。
元気にしてるかなぁ。また一緒に絵を描きたいなーーーーーーーー。