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わたくし、こんな絵をかいてます~Look at my ART!

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晴れた新冠にて

先日、新冠へ行ってまいりました。新冠といえば、競走馬の生産が盛んです。
この時はまだまだ肌寒くて、晴れていてもギューっと体に力が入って硬くなるくらい。
いやぁ、実にお寒ぅございました。

約束の時間まで時間があり、緊張しているせいか落ち着かず、じっとしているのもなんだと、ぷらぷらしてみることに。
晴れた新冠にて_d0042847_0133952.jpg

それまでのうす曇りから、少し日が差してきました。
新冠を見渡せる展望台の様な場所にたつと、大量の風が優しく強く、たっぷりと吹きつけています。

見渡す限りの緑です。ダ・ヴィンチの空気遠近法、じゃないですが
向こうに行くほど淡くかすむだけではなく、風が吹く所、風の濃い所でも景色の濃淡は作られてるのかも、と
震えながら思ったりして。新冠は美しい場所です。
「やー。これはすごいー」と一応撮影しようとするんですが
とてもそのスケールを納める事はできません。風景写真とは全くムズカシイ。
歯をカチカチさせ、薄着できてしまった事を後悔しながら、デジカメを仕舞いました。


10分が経ち、とある牧場へ。どうした事かものすごぉーく緊張して、ロクな挨拶も出来ずもじもじしてしまいました。普段の図々しさも、牧場では固くなってしまうのです。
「ちょっと待っててね」牧場主さんが一度奥へ戻られ、その間ひたすら飼い犬に吠えられてる私。
ウォンウォンとチュンチュン鳴いてる鳥のなかから
「ぶるるるるるっ」という声が頭の斜め上から降ってきたので見上げると
晴れた新冠にて_d0042847_23495274.jpg


小高い丘の上で、二頭の馬が身を寄せ合い立っていました。
しっぽをくるんくるんマイペースに回転させながら、密着して、たまに思い出したように顔をあげて目を細めている。

「あっ」と声が出てしまうほどの光景でした。すっかり目を奪われてしまった。

真っ青な空の下でくつろいでいる様子は風景に増して雄大で
元々濃い茶色の毛をした馬達でしたが、ちょうど柔らかな逆行を浴び、青空にくっきりと浮かび上がっていました。

この時こそ、「写真撮んなきゃ!!」な心境だったのですが
ろくに話も出来ていないのに勝手に写真を撮りまくる状態っていうのも、どうなんだろうと
妙な遠慮(?)をしてグッとこらえたのです。

馬の絵が苦手な私ですが、この時ばかりは
あとからでもキチンと描ける。心にずっと残るし、残る様にちゃんと見よう…

と、二頭の馬達をギリギリまで焼きつけたのでした。


繰り返しになりますが、私は馬の絵を描くのが非常に下手くそです。(というより馬に限らず上手いわけじゃないんだけど)
こんなに難しい題材は無いなぁ。皆さんどうですか?
骨格、筋肉の複雑な事ったら。写真や動画、解剖図と首っかけ。4年も描き続けてるのに毎度泣かされています。


去年あちこち回った時も、「うおー馬でけぇー」だとか「牧場でけぇー」、「みんなまじめぇー(←当たり前だ)」の
いかにも素人らしい驚きばかり。目を白黒させてるうちに終わったようなものでしたが
先日はその時々のシーンがバチっと心に入って来て
そのたび「私きっと忘れない」風景が心に何枚も残りました。


馬は相変わらず難しい。けれどこんなに心をとらえる動物もいません。
だから何枚でも描きたくてたまらない。難しいけど描きたい。
ちょっとだけ近づけたのかなって、思ってます。

自分の馬を描けるようになるまで。
by sichihuku | 2011-06-17 00:53 | Horse